まるゆべしについて
MARUYUBESHI
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歴史・概要
千利休の故事に基づく風雅な菓子
ゆべしは漢字で「柚餅子」と書きます。文字通り「柚子の餅菓子」で、砂糖・餅粉・米粉・白みそ・柚子を混ぜた生地を蒸してつくる和菓子です。起源は源平の時代にまで遡り、そもそも保存食・携帯食としてつくられていたといわれています。
まるゆべしは、柚子の中身をくり抜き、その中にゆべしの生地を詰めて蒸す、乾燥させるを繰り返して仕上げます。「雪の朝、豊臣秀吉が千利休の草庵を訪ねた際、千利休が庭の柚子を取り、中身をくり抜いてみそを入れ、炉端で温めて茶の菓子とした」という故事に基づいてつくられたのが始まりだと伝えられています。
当店の代表銘菓であるまるゆべしは、初代勇蔵の生家「佐伯家」に伝わる製法でつくったのが始まりです。このゆべしを西条藩主松平左京太夫に献上したところ、たいそう喜ばれたのを契機に、ゆべし屋が本業となりました。
当店のまるゆべしは、柚子の収穫期である11月から2月くらいまでの間に、代々伝わる秘伝の技で少しずつ製造します。蒸しては自然乾燥させるを、幾度となく繰り返すという手間と、約3カ月の時間をかけ、唯一無二の味に仕上げます。
ゆべしづくりの工程
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1柚子の仕入れ・選別
柚子の産地として名高い高知県安芸市産のAランクの柚子を仕入れています。Aランクは傷のない最上級の柚子を意味します。そのなかから直径7cm前後のものを、当店のまるゆべし用に選別してもらっております。仕入れた柚子は念のため当店でも調べます。
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2洗浄・くり抜き
柚子を1個ずつ手作業で丁寧に水洗いし、やさしく拭いてから自然乾燥させます。専用のくり抜き器具を用い、ヘタのない方を丸くくり抜き、ふさや果肉を手作業できれいに取り出します。中身をくり抜いた後、網に置いて1〜2日ほど自然乾燥させます。
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3生地づくり・生地詰め
餅粉・米粉・砂糖など厳選した原材料を混ぜ合わせ、柚子の皮を細かく刻んだものを練り込み、1日寝かせます。生地の硬さを調整し、中身をくり抜いた柚子の中に生地を詰めます。専用の竹べらを使い、柚子の皮の内側にしっかり生地を密着させ、空洞ができないようにします。
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4蒸篭で蒸す・成型
生地を詰めたものと、丸くぬきとったフタになる部分を別の蒸篭に並べ、2時間ほど蒸します。適度な蒸気の上がり具合を確認しながら蒸し上がりを待ちます。蒸し上がったら、フタをして押さえ、柚子の姿になるように整えます。
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5干す・蒸すの繰り返し
成型後、1週間くらい干し、皮が少し硬くなったら、再び蒸篭で蒸します。蒸気が強すぎると割れてしまうので蒸気の調整には細心の注意を払います。蒸し上がったら、再び干します。出来具合と皮の乾燥状態を確認しながら蒸す、干すを8〜10回ほど繰り返します。
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6完成
皮とゆべしが一体化し、皮がつややかな飴色になったら出来上がりです。一つ一つ、出来上がりの状態を確認し、お客様にお召し上がりいただくのにふさわしい品質のものだけを商品とします。